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今日の財部日記(7) 伊木壮次郎3

明治29(1896)年8月10日付けで転地療養している人間に対し、9月11日付でウラジオストク出張のためのパスポート申請がなされているという不思議。
しかもアジ歴を調べて出てくるのが「匿名」の「無記名パスポート」で「秘密御用」の為出張、ですからねえ。
軍事スパイですよね、これ。

秘密御用か。
あまり聞きなれない言葉だと思いアジ歴で検索すると、ほぼ同時期の明治30年10月8日、
「宗方小太郎秘密御用の為め匿名を以清国へ派遣に付旅行券交付の件」
という文書が出てくる。

おお…宗方小太郎の名前をこんな所で見ようとは…
宗方は日清戦争の時期に清国の海軍の状況をスパイしていた人物。
ということで石川伍一とも関係があった。
石川は海兵15期石川寿次郎の長兄です(弟に石川漣平陸軍中将、甥に作家石川達三)。
日清戦争の際に諜報活動に従事して、清国側に捕まり銃殺されている。

宗方は熊本、佐々友房の弟子になる。
明治10年西南戦争時、薩軍に党薩諸隊が加わりますが、その中の熊本隊の一番隊小隊長であったのが佐々友房。
佐々淳行の祖父にあたる。
熊本隊の隊長は池辺吉十郎といって、戦後に処刑されています。
西南戦争前の微妙な時期に薩摩の篠原国幹を訪ねて一日中対面したまま座ったまま黙ったままっちゅうエピソードがありますな。
この人の息子が明治3大ジャーナリストのひとり、池辺三山。(池辺、陸羯南、徳富蘇峰)
夏目漱石を朝日新聞に入れた人。

アジ歴の文書は題名の通りパスポートの事だけなので内容は良く分からない。
しかも日清戦争後であるし。
ただ時期的に見ても伊木と宗方の目的は地域は違っても同一もしくは類似のものだったかと。
伊木は軍人で宗方は民間人だけどさ。


海軍兵学校14期、伊木壮次郎。
グーグル先生に聞いてもほぼ梨の礫なのですが、目を引くページが2件ほど出てくる。
その内の1件が『ロシアにおける広瀬武夫』(…)(私が見つけたサイトあれこれの本から引用とは言えない程の文章を引き写してるんだがいいのか)。
一応手元にある本を確認しましたが記述は同じ、そして名前が出ているのは1ヶ所だけだと思う。
同書によると、伊木は2級下の広瀬もよく知っていたし、日本郵船会社の露語研究生・東健次と名乗って、軍事探偵として働いていたとある。

ふーん…
何というか…
うん、今まで何度か書いてますがこの本、細かい所で間違いや根拠が分からない記述も結構ある。
現に広瀬は伊木の2級下ではなく1級下だしさ…(海軍義済会員名簿で確認済)
信用しないという事ではないのだけれど、盲目的には信じられない。
ただ日本郵船の東健次とか、此処まで具体的だと何か資料的な根拠がある筈だと思い、幾らか調べたら出てきました。


大陸関係なら辞典的な人物列伝がふたつある。
ひとつは『東亜先覚志士記伝』、もうひとつは『対支回顧録(正・続)』。
地理的にロシア関係は微妙な点があるけれど、ウラジオならまあ載っているだろう(という希望)。
あと日露戦争関連ならいけるかなと。
そしてもう一件、『明治過去帳-物故人名辞典-』っちゅうのがありまして。

『明治過去帳』には名前はあったけれど、官報を見たら分かるような経歴しか載っていなかった。
『対支ー』には記載自体がなかったけれど『東亜ー』には項目がありました。


続きまーす。
(てかみなさんあんまり興味ないですかね…
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