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パラべラム ~ 堀悌吉

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この話は19回シリーズです。
サイトに纏めて移行済み。そちらの方が読みやすい。
サイト > WORKS > 歴史話 > 近代MTS > 明治~昭和 よりどうぞ。

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山本五十六と堀悌吉は海軍兵学校の同期、32期になります。
このブログでは山本はぼちぼち名前が出てきております。
日進の惨劇の辺りとか、後いくらか。
リンクを貼ろうと思いきや思いの外記事数が多かったので興味がある方は山本の名前でブログ内検索or右サイドにあるタグからどうぞー(丸投げ)

一方の堀悌吉に関しては今まで殆ど触れていない。
正直に言うと、私は山本五十六より寧ろ堀悌吉の方に興味があるのだけれど、前のブログでもサイトでも軽く名前を出したことがある程度か。
32期のクラスヘッドであったということ、日露戦争の際に少尉候補生として三笠に乗り組んでいたという位かな。

本当はこのブログでも何度かがっつり名前を出す機会はあったのですが。
それが大正10(1921)年のワシントン海軍軍縮会議、昭和4(1929)年のロンドン海軍軍縮会議の際の話になります。


前者の話は今年初めに『山梨勝之進先生遺芳録』を軸として原敬と加藤友三郎を中心に(原敬と加藤友三郎ワシントン海軍軍縮会議の頃器量)、後者も同じく伊東巳代治を中心して触れました(Odd Priority)。

この両方の軍縮会議に堀は深く関与していまして、ワシントンの際は全権委員随員として渡米。
ロンドンの際は海軍省軍務局長として海軍次官を支えます。
山梨は海兵25期、堀悌吉と山本五十六の仲人であった四竈孝輔と同期になります。


http://blog-imgs-63.fc2.com/m/u/r/murakumo1868/20140812.jpg


ロンドン海軍軍縮会議の際は財部彪海相が全権として渡英しています。
事務管理として浜口雄幸首相を戴きはしているものの、海軍省の実際は残された山梨勝之進次官と堀軍務局長が仕切っていた。

山梨も堀も非常に頭の切れる論理的な人であったそうで、高木惣吉は山梨の部下であった時の感想を、
「虎の尾を踏む心地がするほど怖かった」
と述べていまして、その山梨が全幅の信頼を置き、堀本人に対し
「君が死んでしまったら、僕の生きている価値が半減してしまうよ」
とまで言わしめた辺り、堀がどれほどの切れ者だったかを窺い知れる気がします。
山梨さんは、頭が切れて仕事ができる(その上同志)という以上に、堀の人柄が好きだったのだと思う。


故郷は大分県杵築、実家は篤農で両親、特に母親が非常に進取に富んだ方だったそうです。
少年時代は、こういった人にありがちな神童視されるという伝説があった訳でもなく、特に秀でていると見られている訳でもなく、堀が受かる位なら海軍兵学校も大した学校じゃないんだなーと思われてたらしい。
マジかよ。笑


海兵の入学順位は
1位が塩沢幸一 (地元で神童と言われていた)
2位が高野五十六 (山本五十六)
3位が堀悌吉

塩沢は今に続く養命酒の創業者一族の四男で、山本五十六から「おい、養命酒」と呼ばれていたという有名な話があります(養命酒が好きだったらしい)。

卒業の次席は
1位が堀悌吉、2位が塩沢幸一。(山本五十六は11番)
これが非常なデッドヒートで、卒業試験の総合点の差はたった7点!
在学中からのライバルであったふたり、どちらが首席になるか教員も興味深々だったと言います。
ちなみに同期たちが堀を評して一句。


神様の傑作のひとつ 堀の頭脳



堀は「1位になりたい」のではなく「満点を取りたい」人で、そういう意味では闘争心・競争心がかなり薄かったみたい。
Do My Best の人。
その考え方が1号から2号生徒に上がった際に大幅に席次を落とした山本を大きく慰めたようです。
山本五十六、兄に対して曰く
「一人の友を得候」
山本にとって堀が、堀にとって山本が生涯に亘る無二の親友であったことはよく知られています。

山本は何かと悲壮感が漂ってるよねえ…
”朝敵”とされた長岡藩の出身、戊辰戦争で亡くなった祖父、その名誉回復。
その中で、全てが成績で決まる兵学校でがくーんと席次を落とすって、同期に対してだけではなく、故郷に対しても、ものすごいプレッシャーだったと思います。
堀に救われたんじゃないかなー


ふたりの勤務場所が重なることはなかったのだけれど、ずっと仲は良くて、2回同居している。
堀の初婚の前と堀の再婚の前がそれで、堀が再婚した直後に、堀が薦めてきたからという理由で山本もマリった事は先日書きました。
(「堀悌吉、山本五十六、マリる。」)
今更ですけど、マリるは海軍隠語で結婚することですw


続く…かなあ…^^;


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