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海軍兵学校15期!(4)

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この話は8回シリーズです。
追記改訂の上サイトに纏めて移行済み。そちらの方が読みやすい。
サイト > WORKS > 歴史話 > FRWL(広瀬武夫コーナー) > 考察・考証 よりどうぞ。
題は 「We are!」 に変えています。

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海軍兵学校が築地から江田島に移った際の4号(最上級生徒)は15期ですが、移転8月卒業翌年4月ということで、江田島での在校期間は約9か月。
移転後には宮島まで行軍したり、卒業前(明治21年12月)には実地航海練習として瀬戸内を航海したりしていますが、そんなに大きなイベントもなかったのか^^;
江田島でどういう学生生活を送っていたかは、広瀬の書簡が少ないこともあってよく分かりません。
ネタとしては東京にいたころの方が豊富だなー。
ただ卒業式の様子についてはその詳細を家元に書き送っています。


卒業式ではクラスヘッド(首席)である財部彪が機関砲一般に関して、また水雷術で最高点を取った岡田啓介が水雷術に関して講演しています。
岡田の講演が終わると同時に浮標水雷、外装水雷、海底水雷、反装水雷の4種類の水雷が海で順次爆発。
各地からきた顕官、海軍関係者の目を見張らせた旨が広瀬書簡には書かれています。

何でも試験が終わった後に1号・甲号生徒がくじ引きで班分けし、自分たちだけの力で製造した水雷で、


互ニ励ミ競ヒツゝ吾劣ラジトセシ故ニ、屢議論起リ、攫ミ合ハントセシ程ナリ。
斯ク熱心ノ労アリテ、今回ノ水雷ハ間然スベキ難ナク、艦隊ノ士官等モ大ニ驚愕

(明治22年4月25日付書簡)


…だったそうで。
4班なので20人でやってたのね~
熱くなり過ぎてつかみ合いに迄なりそうにって青春ですなあ。
というか、私はこの文章を見てなんだ結構仲良くやってるんじゃんと思いましたよ…

学校がまだ東京にあった時分にですね、出身地や出身藩同士で固まって、他県人とは口もきかないといった風潮がかなり強かったようで、広瀬はそれを何とかしたくて行動に移したことがあります。
それでどうにかなったかと言われれば、多分どうにもならなかったんだと思うのだけど。
これはまた後述します。


成績優秀者の講演迄はよかったのですが、その後のパーティで出されたお酒やら雰囲気やらでやっちまったなーな感じになった人が多かったようです。生徒に限らず。
羽目を外し過ぎて、卒業式の翌日に早速有地品之允校長に怒られた…^^;

広瀬は元々酒を飲める人ではありませんでした。
それに加え、それまでにも酔払いの酔態を目にして酒は人によっては狂薬になると思い、自分は死ぬまで酒は口にしない、と誓っていた。
卒業式の際の同級生や来賓、陸海軍士官の酔態を見て更にそう思ったようです。
そうは言っても実際にそれを実行するのは難しく、例えばロシア滞在期には飲まざるを得ない時もあったようですが。


***


15期、出身地別に見ると、一番多いのが佐賀と東京で各12人。
続いて鹿児島6人、山口5人、石川3人。

東京は兵学校のお膝元でもあったので、受験しやすいということがあったかと思います。
それを除けば目立つのは薩長土肥、いわゆる藩閥の県からで(高知からは中野直枝ひとりですが)、実質薩摩藩であった宮崎の出身者数を薩摩としてカウントすると、藩閥からの出身者が全体の34%に上る。


佐賀からの入校者が多いのは、海軍に強かった旧佐賀藩の伝統からです。
佐賀は明治維新後暫くは海軍の大勢力でした。
それが明治7年の佐賀の乱で転落しまして、その後「薩の海軍」となった。
それをどうにかしようとしたのが古賀喜三郎で、この方、海軍予備校という名称そのまんまの学校を作っています。
家が貧しくて行き道がない、という理由で海軍に入った人は何処に限らず多かったけれど、佐賀の場合は旧藩の総意で後押ししていたという点もあるのじゃないかと想像…

ちなみにこの古賀の娘婿が江頭安太郎になります。
佐賀出身の海軍軍人、江頭の他には村上格一、向井弥一、森山慶三郎、安保清種、百武三郎・源吾といったこのブログでは比較的名前の出てくる提督がいます。


すごいな…というか…
大丈夫だったの?と思うのは、向井弥一と15期・佐賀出身中山忠三郎。
向井弥一の父の従兄は江藤新平ですが、中山忠三郎の実父は前山清一郎だったりする…
これ見た時はさすがにえ、と思いました…
マジでこのふたり何のしこりもなかったのかと。

と言うのも前山は佐賀の乱の際に裏切ったとか、江藤新平を政府軍に売ったとか、とにかく佐賀では裏切り者扱い…
う~ん…どうだったんだろう…
ただ向井は江藤本人にはあったことがなく、親から話を聞いていただけのようなので、この前の森鴎外と緒方惟準と同じようなパターンかも、とは思いますなあ。


続く!
変な所で切れてごめーん


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