矢部定謙と大塩平八郎の話、続き。 矢部は旗本でして、最終的には旗本の出世街道の頂点、江戸の町奉行にまでなっています。 今まで何度か書いてきましたが、町奉行は職掌が広かった(今で言う東京都知事、最高裁判所長、警視総監、消防署長、東京駅の駅長などを兼任)。 江戸の対町人の行政を一手に引き受けるだけでなく、町奉行は幕閣にも参画しており、言ってみれば東京のトップでありながら国務大臣も兼任していたことになりま...